多くの方の力を借りて進めている
NO.2前編では、NPO法人フードバンク浜っ子南(以下、浜っ子南)での支援も受けながら、ご自身でも浜っ子南の活動のお手伝いをしているAさん(仮名)をご紹介しました。後編では、浜っ子南としての想いや、学校や企業等の力を借りながら進めている状況等をご紹介します。
前編はこちらからご覧ください。
団体の立ち上げにあたって
浜っ子南の代表理事の下山さんから、立ち上げの経緯や大切にしている想い等を伺いました。
「団体が出来て5年目になります。最初は自分ひとりで出来るのかという不安な想いでした。同じ想いを持った人と出会えたことで団体を立ち上げることができました。」
「団体が立ち上がってすぐにコロナがはじまり、最初の1~2年は食料品が無くて大変でした。需要と供給がかみ合わない状態であった中、色々な人達の協力もあり、今はしっかりと活動が進められてきています。」
「フードバンクをやる意義として、今日の困っていることを解決することではないと考えています。物と人を繋ぐこと、そして人と人をその先に繋ぐことが大切だと考えています。」
「各会場での活動は月1回しかないので、色々な所に繋がって欲しいと思っています。私達だけでなく、住んでいる所でご本人が繋がっていくことが望ましいと考えています。」
自然に受入できる雰囲気づくりが大切
「一人ずつできることは違うし、発揮できることも一人ずつで違う。それぞれに出来ることをやってもらえるようにしています。」
「担い手と受け手を分けて考えるのは難しいです。ありがとうとしか言えない関係はいびつだと感じています。私達は、自分が役に立ったという喜びを感じてもらえる場所を目指していきたいと思っています。」
「私達は、色々な人達の力を自然に受入できる雰囲気づくりがとても大切だと考えています。ケアプラザ・区社協・NPO・学校・企業等の様々な所からの協力や支援によって成り立っています。今日も、学校から生徒や先生がお手伝いに来てくれています。」
学校の立ち場として
当日学生と一緒に来られていた、学校法人岩崎学園 横浜保育福祉専門学校の安藤先生にお話しを伺いました。
「学生がボランティアを始めるにあたって、まずは活動しやすいよう送り出す準備を大切にしています。」
「学生それぞれが役割を担える環境づくりを、受入先と一緒に作っていければと考えています。そうした役割を発揮できた経験が本人達の自己肯定感となり、他の場面でも、その体験をもとに力を発揮できるのではないかと考えています。」

安藤先生と生徒の皆さん(よく頑張りましたポーズで)
企業等からの多くの寄付を受けて
浜っ子南では、学校だけでなく企業等から多くの協力を得ながら進められています。この日は、企業からの寄付品やクラウドファンディングで集まった寄付金をもとに「こども応援セット」として1世帯ずつにお渡ししていました。
夏休みは、給食が無い等で食費がかかり、ひとり親家庭世帯にとっては苦しい時期になります。そうした状況を少しでも応援しようと、この「こども応援セット」は、多くの方々の協力のもとで実施されました。
また、会場である浦舟地域ケアプラザでは、受付の所で浜っ子南にお渡しするためにフードドライブを常時行っていました。

夏休みに向けた「こども応援セット」
地域共生社会の実現に向けて
支え手側と受け手側に分かれるのではなく、地域のあらゆる住民が役割を持ち、支え合いながら、自分らしく活躍できる地域コミュニティを作っていくことが大切です。
浜っ子南で実践いただいている取組は、Aさんのような当事者の力も引き出しながら、学校や企業等も含めた多くの協力者のサポートも上手く取り入れながら進められています。
自分達だけで進めるのではなく、自然と受入できる環境の中で相手の特徴を活かした連携を進めている実践となっています。