横浜市男女共同参画推進協会と進める女性への支援
本会と横浜市男女共同参画推進協会は令和2年2月より生活に困窮する女性への支援に取り組んでいます。
これまで、コロナの影響を受けて経済的に困窮している市内在住の女性へお米券の配布や生理用品の購入が難しい女性に生理関連用品(サニタリー吸水ショーツ)の配布を行ってきました。
R4年度は引き続き同協会と連携し、「生理の貧困」の課題に取り組むと同時に、企業等の多様な主体の参加を目指して検討を進めてきました。
様々の主体の参画により「私の生理と向き合おうproject」を実施しました!
R3年度の取組を通して、経済的な困りごとだけでなく、ホルモンバランスの乱れなど生理の不調についてのコメントが多く寄せられました。
しかし、そのうちの約2割の方は「どこにも誰にも相談できていない」と回答していました。
こうした結果を受けて、R4年度は本会と横浜市男女共同参画推進協会だけで取り組むのではなく、協働事業者として薬樹株式会社、インテグロ株式会社、コメットテクノロジーズ・ジャパン株式会社にご参加いただき、「ライフステージや環境に応じたケアが選択できる」「自分や他の人の生理を知り、お互いをいたわる」社会の醸成を目的に、「私の生理と向き合おう プロジェクト」を立ち上げ、いくつかの取り組みを展開しました。
「私の生理と向き合おう~対談&相談会&ヨガ」
2022年12月10日にフォーラム南太田にて、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)国際デーを記念したイベント「私の生理と向き合おう~対談&相談会&ヨガ」を開催しました。
・生理についての‟あるある”や更年期から閉経までの生理の変化について語る対談
・頭痛や腰痛や腹痛などを少しでも楽にするヨガ
・専門家(医師、薬剤師、管理栄養士)による個別相談
などを通じて、日頃後回しになりがちな自分のからだと向き合い、ケアすることについて考える1日となりました。
個別相談会には、薬樹株式会社の専門家の皆様にご協力いただきました。
また、当日の参加者にはコメットテクノロジーズ・ジャパン株式会社より寄付として提供いただいた生理用ナプキン(詳細はこちら)かインテグロ株式会社の取り扱う月経カップ(本会の寄付金で用意)のいづれかをお渡しをしました。
国際女性デー特別企画「選べる生理用品ハッピーギフト」
2023年3月の国際女性デーに合わせ、市内在住で経済的に困窮している(税込年収250万円以下)女性の方々を対象として、選べる生理用品の支援を実施しました。
生理用品は生理ナプキンと経済的な負担と環境を考慮(繰り返し使える)してインテグロ株式会社の取り扱う月経カップから選んでいただき、生理用ナプキンは200名、月経カップは65名の方にお渡しすることができました。
また、月経カップについては、使い方のレクチャ―を通して安心感を持って使用していただくこと、身近な相談場所として薬局との繋がりを作ることを目的に、薬樹株式会社の運営する市内薬樹薬局6店舗にご協力をいただき、店舗にてお渡しをしました。
なお、同社では月経カップのお渡しにあたり、インテグロ株式会社を講師に月経カップの使用法や取扱い方法についての勉強会を行いました。
ただ商品をお渡しするだけでなく、専門職としての強みを発揮できるように取り組んでいただきました。
LINEを活用した健康相談等の窓口の開設(8月末まで)
自身の生理の悩みや身体の不調を誰にも相談できないという声に対応するため、薬樹株式会社の協力のもと、同社の既存の仕組みを活かしたLINEによる健康相談等の窓口を開設しました。
地域において健康支援に取り組む同社の強みを活かし、自身の健康に悩む女性の身近な相談役となっていただきました。
ハッピーギフトを受け取った方からのメッセージをご紹介します
・大学生として一人暮らしを始め、自分で購入することへの抵抗や、ナプキン使用回数を心のどこかで減らしていたので、このような機会がとてもありがたかったです。
・一人暮らしで生活費をできるだけ抑えて過ごしている中、このようなギフトを頂けて本当に嬉しいです。自分も女性が男性と変わりなく社会に参画して行くことができるような社会の実現に貢献する存在になりたいと思いました。
・月経カップというものを初めて知りました。ナプキン代が毎月かさみ、物価高で値上げになったりで大変でしたので、カップで再利用しながら使えたら大変助かります。
・自分ではきっと買えなかったので、これからが少しでも生活が楽になるかもしれない道具を手にできて、嬉しいです。わたしもいつか、送る側になりたいです。
たくさんのご支援ありがとうございました!
今回の「選べる生理用品ハッピーギフト」については、生理用品の購入費用等を捻出するため、寄付金募集を行いました。
個人・企業の皆様より集まった約80万円分のご寄付(コメットテクノロジーズ・ジャパン株式会社からの物品提供も含む)をいただきました。
たくさんのご支援ありがとうございました!
また、不足分については本会への寄付金を活用し、対応をさせていただきました。
今後に向けて
本取組において、令和3年度から協働事業者が増えたことでより広がりを見出すことができ、それぞれの強みを活かす取組となりました。
また、「選べる生理用品ハッピーギフト」の申込フォーㇺにて、生理や生活についての生の声を収集するためのアンケートを実施し、385名の女性から回答をいただきました。
(アンケート調査報告書はこちらから)
アンケートを通して、生理用品が買えないだけではなく、相談できる場がないや理解がないなど、生活困窮以外の「課題」が見えてきたため、多角的なアプローチが必要になると感じました。
引き続き、男女共同参画推進協会と支援の仕組みについて協議を進めると同時に、今回の協働事業者との繋がりを活かし、ひとりひとりの女性が社会の中で力を発揮できるよう、社会に対しての取組の検討も進めていきます。