緊急事態宣言発令。一人暮らし大学生の厳しい状況。
横浜市社協では、以前より生活困窮者への緊急的な支援として生活福祉資金等の貸付事業を行ってきました。
新型コロナウイルスが各地で猛威を振るう中、コロナ特例貸付(※1)が始まり、各区社協が対応に追われている頃、それだけでは支援が届かない人がいるのではないかと考えていました。
そんな時、メディアにて学生の厳しい状況が取り上げられていました。
横浜市内にも多くの大学があることから、横浜にも困っている学生がいるはずだと感じ、学生団体を通じてヒアリングを実施しました。
その結果、「アルバイトができず、困窮している」「緊急事態宣言中のため、実家に帰省することができず、頼れる人がいない」といった声が上がり、一人暮らしの学生の厳しい状況が見えてきました。
(※1)新型コロナウイルスの影響を受け、収入の減少や失業等により生活維持のための資金を必要とする世帯への貸付制度。
一人暮らし学生への食の支援を実施。
そのような声を受け、食の支援を通して横浜の支えあいを伝えるため、一人暮らし学生への食の支援を企画しました。実際の生の声を聴こうと学生の皆さんとオンライン会議を行うなどし未曽有の緊急事態の中、上京して間もなく知り合いもいないため頼る人もいないという現実やアルバイト先が休業を余儀なくされて収入が全くなくなったこと、それによって支出を減らさざるを得ない状況になったことから食料品の購入をためらうようになったことなど様々なお話を伺いました。そこで、早急に支援が必要ではないかと考え動き始めました。
まずは寄付金を募り、同時にその寄付金をもとに緊急事態宣言により納品が途絶えてしまった地元の卸業者や市内の障害者地域作業所から購入した食品、ならびに企業様からいただいた寄付物品を活用し、一人当たり10日分相当、計170人分の食品を準備し、2020年5月22日(金)に市社協のある横浜市健康福祉総合センターで配分会を実施しました。
地元企業様からのご支援をいただきました。
地元企業様より学生への支援にご活用いただきたいと飲料水のご寄付をいただきました。
また、複数の企業・団体様からも金銭によるご寄付でご協力をいただきました。
こちらに掲載をさせていただいております。ご協力ありがとうございました。
学生からの感謝のメッセージ。
○このご恩は、いつかどこかで必ず返します。横浜に暮らしていて良かったです。ありがとうございます。
○この度は、学生のためにこのような支援をしていただき、本当にありがとうございます。苦しいのは私たちだけでなく、みなさんも同じなのに、頑張ってね。という一言にとても救われました。
準備から今日の配布まで、色々とありがとうございました。たくさんの方々のご支援に感謝しています。たくさん食べてしっかり寝て勉強に励みます。温かい 1 日をありがとうございました。
○アルバイト先が休業で 1 ヶ月半以上稼ぎがないことに加えて、就活も例年と違う形で行われており、一人暮らしの生活に不安やストレスを感じて過ごしていましたが、
いただいた袋にたくさんの食べ物、飲み物が入っていて、久しぶりにとても嬉しく、温かい気持ちになれました。
○私は現在大学 4 年生で就活もしているのですが、改めて食の大切さや、人と人との繋がりの大切さを実感し、社会に貢献して人の役に立てるように頑張りたいと思います。
市内に広がる支援の輪。
このような取組は、当初から市社協だけではやりきれないと考えていました。
まずは市社協で試験的に実施をし、失敗や課題も含めてノウハウを情報提供していく中で地域展開ができないか、そんな思いから学生の声を広く発信し、より身近なエリアで実施ができるよう、区社協や自治会、大学への支援を行いました。
ご協力ありがとうございました。
合計2,024,154円のご寄付が集まりました。
横浜市社協での実施では153名、地域での実施では延べ1,000人以上の学生に食の支援を届けることができました。
ご協力くださった皆様本当にありがとうございました。
ご寄付をいただいた方については、こちらに掲載をさせていただいております。
≪主なメディア掲載等≫
○神奈川新聞・毎日新聞
○ファンドレイジング大賞コロナ枠特別賞受賞