児童養護施設等を取り巻く環境の変化
令和4年3月4日に提出された児童福祉法改正案では、児童養護施設などで暮らす子どもや若者に対する自立支援について、原則18歳(最長22歳まで)としてきた年齢制限の撤廃が盛り込まれています。
また、令和2年に公表された「児童養護施設入所児童等調査の概要(平成30年2月1日現在)」では施設を出て自分で生活することに自信があると答えた児童は32.3%だったとの調査結果がありました。
前回調査が29.1%でしたのでわずかに上昇はしていますが、施設を出た後の生活に不安を感じている児童が多いことが明らかになっています。
令和3年に「退所時・退所後アフターケア支援金事業」を実施
横浜市社協児童福祉部会では、社会的養護について議論を重ねる中で施設退所時・退所後のアフターケアを支援するための新たな取組を試行しました。
最大30万円の支援を行うことでアフターケアを充実させていくというものです。
支援金の財源は、地元企業や個人の方からの寄付を活用することで実現しました。
R3年度は計37名の児童の支援につながりました。
【報告書】退所時・退所後アフター支援金事業
施設が行うアフターケア~施設職員の“声”~
・この支援で継続的かつ安定的にアフターケアを行えることになりました。
・今後の見通しをもって支援することが出来ました。子どもたちにとってより良い環境を作ることができました。
・この事業で1人の若者の生活が安定しました。
など、これまで支援が届きにくかったところに取り組むことができたという声を頂きました。
アフターケア~退所生・退所予定生の“声”~
【就職のため資格取得講座の受講と就活用スーツを購入】
目標を持てて生活に前向きになりました。
スーツが購入できたことで、就職活動時の職種の幅も広がり希望が持てるようになりました。
心から感謝申し上げます。
【大学進学を希望。オープンキャンパス・受験費用に活用】
お陰様で希望していた大学へ進学を果たすことができました。
将来のことで不安はありますが、応援いただいたことを忘れることなく自身の夢の実現へ向けて努力したいと思います。
令和4年度も引き続き児童養護施設等の退所者の支援に取り組みます
様々な形での支援につながっています。
支援の内容は十人十色…個別性を重視した支援を進めています。
令和4年度も引き続き行うことで、児童養護施設等の退所生を見守り続けていきます。