横浜市における引きこもりの現状
様々な理由がきっかけで生きづらさを感じ、ひきこもりがちになる若者がいます。
横浜市では、平成30年3月に「横浜市子ども・若者実態調査市民生活実態調査(報告書)」が公表されました。
15歳から39歳の方でひきこもり状態にある方は推計約15,000人と言われています。
(15~64歳の推計数は約 27,000人)
よこはま若者サポートステーション
地域若者サポートステーションは、働くことに踏み出したい若者を支援する就労支援機関で、厚生労働省が全国177か所に設置しています。その中の一つ、よこはま若者サポートステーション(通称よこはまサポステ)は厚生労働省の事業に加えて、横浜市との協働事業、及び生活困窮者自立支援事業と一体的に運用することで、働くことに困っている人は誰でも利用できる幅広い支援を行っています。
コロナ禍においても、様々な困難を抱えた若者の支援機関として日々活動をされており、年間10,931件(2021年度実績)もの相談対応を行う「よこはま若者サポートステーション」の職員にお話を伺いました。
Q)様々な困難を抱え、就労が難しい若者への支援としてどのような活動を行っていますか?
若者の困難は個別性が高く、一人ひとりに合わせた支援が必要なため、よこはまサポステでは個別相談を支援の中心にしています。
個別相談では、ご本人に合った内容・タイミングでプログラムや外部資源を提案し、希望の働き方に向けてご本人主体の支援を進めていきます。
必要に応じて、医療・福祉・行政機関等への同行や紹介も行います。
相談は担当制、同一の相談員が継続的な支援を行っています。
Q)年間1万件以上の相談をお受けしているようですが、例えばどのようなご相談がありますか?
厳しい家庭環境だったり、学校時代にいじめや不登校を経験していたり、精神疾患や発達障害による困難があったり、就労先で過酷な経験をしていたりなどが絡み合って、働きづらさを感じている方々がご相談にいらしている印象です。
そんな状況でも働きたい、働き続けたいという気持ちで来てくださっています。
具体的には、自分に合った働き方を検討したい、働くにあたっての不安を整理したいなどの主訴でいらっしゃる方が多いと思います。
Q)就労体験を行う企業などを広く募っていると聞きましたが…
利用者の中には、職場への橋渡しのサポートがあるとスムーズに働き出せる方々がいます。
よこはまサポステでは、地域の事業所や企業と協力・連携し、ジョブトレーニング(職場体験)、就労につながるインターンシップ、企業セミナー、企業見学会などを行っています。
開所からの15年間で、様々な業種の約200の事業所が受け入れを行ってくださいましたが、働きづらい若者の存在を知って頂くためにも、若者の力を引き出して働く場を提供して頂き、受け入れをして頂ける事業所を常に探しています。
ご興味お持ちいただけた事業所には、担当者がお伺いしてご説明をいたします。
実際の受け入れに際しては、コーディネートや受け入れ支援など、丁寧にサポートさせて頂いています。お気軽にご連絡頂ければ幸いです。
Q)困難を抱える若者への支援に取り組むうえでの課題を教えてください。
若年無業者やひきこもりの統計を見ると、支援につながっている若者はまだごく一部です。
支援につながった後も、働きづらさを抱えた若者が社会に居場所を作るためには、社会の側への働きかけも必要です。
支援の入口・出口の整備がまだまだ不十分だと感じています。
また、複合的な課題を抱えた若者をしっかりサポートしてくためには、支援者の質を高めていくことも大切だと思います。
困難を抱える若者への支援を
様々な理由やきっかけがあり、ひきこもることになったり、生きづらさを感じている、そんなたくさんの人たちがいます。
そのような若者が社会とのつながりを持つこと、また就労につながることで、誰もが安心して自分らしく暮らせる地域社会になります。
今後も共生社会の実現に向けて、関係者と支援に向けた検討を続けていきます。