児童養護施設等退所時・退所後のアフターケア支援とは
本会(児童福祉部会)では、児童養護施設等を退所する児童及び退所した児童の退所後の自分らしく生き生きとした暮らしを応援することを目的に、R3年度より各施設を通して支援が必要な児童に1人当たり30万円の支援金をお渡しています。(退所時・退所後アフターケア支援金事業)
アフターケアの必要性
これまで退所後の支援は、横浜市が実施する「アフターケア支援事業」を活用するしかありませんでしたが、退所生の特性・個性を生かしつつ継続した支援ができていない課題や既存の仕組みでは対応できないサポートを、施設が独自に対応しているという課題がありました。
また、途中で挫折をしてしまう退所生もいて、その子たちに対してのサポートができる仕組みがありませんでした。
社会的養護が必要な児童は頼れる先が施設しかなく、施設側も出来る限り退所後の支援を行っていますが、特に資金面での支援が難しく、思うようにできていなかった実態がありました。
令和4年度は41名の児童に支援金をお渡し
R4年度は41名の児童に支援金をお渡ししました。
支援内容としては、退所に伴う転居(新生活準備)費用の申請が最も多くありました。
また、大学等合格後の支援は奨学金制度等あるが、進学に向けた準備(オープンキャンパス)や受験費用を賄う既存の制度がない現状から、本制度の活用が目立ちました。
さらには、就職に伴いパソコンやスーツの購入、免許取得費用など、自立に向けた支援にも活用されています。
支援を受けた児童・施設職員からのメッセージ
【退所児童より】
《児童養護施設退所生:学費に活用》
いただいた支援金を学費に充てることができました。
児童養護施設職員になれるよう、日々学びを深めていきたいと思います。
《児童養護施設退所生:授業料に活用》
入学当初から計画を立てて貯金してきましたが、学業やコロナで思うようにアルバイトができませんでした。
こうした支援金をいただき大変感謝しております。
《自立援助ホーム退所予定生:就職に伴う一人暮らしの準備費用に活用》
転居の初期費用や家具類購入のための貯金ができずにいたので助かりました。
職場も決まり、新生活ができました。
【施設より】
・どうしようもなくなってからのSOSで途方に暮れていたため、このようなご支援をいただき、生活の立て直しができました。(児童養護施設)
・経済的に厳しい状況から生活を立て直すことができました。これからも紆余曲折あるかもしれませんが、支えてくれる方々に感謝し、心豊かな生活が送れるようサポートしていきたい(自立援助ホーム)
・「再自立の子ども」にはなかなか支援が入りづらい面があり、再度自立に向けて挑戦する機会を与えていただけることはとてもありがたいです。(ファミリーホーム)
★当事業の詳細やその他のメッセージについてはR4年度報告書よりご確認いただけます。
退所時・退所後アフターケア支援事業 令和4年度報告書
令和5年度も引き続き実施します
本会(児童福祉部会)では、この支援金を活用しつつ、引き続き児童に寄り添いながら多くの退所児童の支援ができるよう取組を継続していきます。
また、R5年度からはより制度で対応ができない児童への支援の仕組みとするため、名称を「退所時チャレンジ・退所後再チャレンジ支援金事業」と変更します。
引き続きご支援の程よろしくお願いいたします。