【報告】(R5年度)「児童養護施設等退所時チャレンジ・退所後再チャレンジ支援事業」

タグ: 児童養護施設退所時チャレンジ・退所後再チャレンジ支援|

児童養護施設等退所時・退所後の支援とは

本会(児童福祉部会)では、児童養護施設等を退所する児童及び退所した児童の退所後の自分らしく生き生きとした暮らしを支援することを目的に、R3年度より各施設を通して支援が必要な児童に1人当たり最大で30万円の支援金をお渡しています。
社会的な養護が必要な児童は家族に頼れない状況から、退所後も施設を頼って相談することも少なくありません。
施設側も出来る限り退所後の支援に力を入れていますが、お金がかかる支援は難しい現状から、本事業が始まりました。
令和5年度は、施設を退所した児童がもう一度チャレンジできる機会を支援することも目的であることから、事業名を「児童養護施設等退所時チャレンジ・再チャレンジ支援事業」に変更しました。

令和5年度は19名の児童に支援を行いました

R5年度は19名の児童が本事業を利用しました。
支援内容としては、受験費用や入学準備費用の申請が最も多く、進学に向けた準備(オープンキャンパス)や受験費用を賄う既存の制度がない現状からの本事業の活用に繋がっています。
また、就職や一人暮らしに伴う家財の購入や、免許取得費用など、自立に向けた支援にも活用されています。
申請いただいた各施設の内訳は、下記になります。
児童養護施設からの申請が10名で最大となっています。

申請に至った背景は

令和5年度は、本事業の申請に至る背景を申請書に記載いただきました。
そこには、児童が様々な状況に置かれている状況が記載されていましたので、いくつかご紹介します。
・高校生で貯金がない状況で入所。高校に通いながらアルバイトに励み、自立に向けて貯金をしているが、親族からの支援も得られず、転居費用の不足が見込まれる。
・外国籍の児童。家族と離れ入所したため定住者資格を失い、勉強とアルバイトを両立し貯金していたが、日本学生支援機構からの奨学金や受験費用等支援が申し込めないことが判明。(この支援金を)受験費用に充当し、大学を卒業し自立した暁には定住者資格も取得し、外国語も話せる貴重な人材になって欲しいと考えている。
・長年親に給料の大半を搾取されていた。一人暮らしのために貯金をしている。家具家財の支度費用について支援を利用したい。
・施設退所後、育児がうまくいかず、子どもを乳児院に預けた。今後は子どもを引き取り共に暮らしたいと考えている。

支援を申請した施設職員からの声

≪受験費用・児童養護施設≫
本来はアルバイトで資金を調達しないといけないが、支援金のおかげで勉学に集中して取り組むことができています。この支援が無駄にならないよう合格を目指して、日々精進させていきたいと思います。
≪転居費用・児童養護施設≫
児童養護施設からの児童の自立は、思いのほか金銭的負担も大きいです。そんな中、こうして寄付をしてくださることは非常にうれしく助かっています。本当にありがとうございます。
≪自動車免許取得費用・母子生活支援施設≫
自動車学校に入校し、免許取得に向けて在学中から動き出すことができました。免許取得が就職活動の後押しにもなると思います。この度は本当にありがとうございました。

支援を受けた児童からの声

≪入学準備費用・母子生活支援施設≫
このような機会をいただき感謝しています。夢に向かって歩んでいきたいと思います。
≪自転車免許取得費用・母子生活支援施設≫
卒業して就職し、同時に免許取得に行っています。大変ですが頑張りたいと思います。
≪受験費用・児童養護施設≫
学費、一人暮らしの資金が足りない状況だったため、受験費用とオープンキャンパス交通費を支援していただき、ありがとうございました。

★当事業の詳細やその他のメッセージについては、R5年度報告書よりご確認いただけます。
退所時チャレンジ・退所後再チャレンジ支援事業 令和5年度報告書

多くのご支援を受けて

この事業は、横浜幸銀信用組合横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ等をはじめとして、企業や多くの個人寄付者の方々に支えられて実施できています。
横浜幸銀信用組合や横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズでは、児童福祉部会の役員と本会役員が一緒に贈呈式を実施させていただきました。
横浜幸銀信用組合は、子どもの未来プロジェクトとして子ども達の自立へ向けた支援のため、本会へご寄付をいただけています。
横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズでの贈呈式には、ホテル側で実施したチャリティーイベントの共同者であるアレックス・ラミレス氏も同席いただきました。

【贈呈式】横浜幸銀信用組合にて

【贈呈式】横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズにて

 

 


令和6年度も引き続き実施します

本会(児童福祉部会)では、これらの支援金を活用しつつ、引き続き児童に寄り添いながら多くの退所児童の支援ができるよう取組を継続していきます。

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